エッセイ

『 TALIESIN 2 』|醸す灯り

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(過去記事をお試し投稿)

持っていないものへの物欲を書き留めています。
欲しいものを欲しいまま、憧れを憧れのまま。いつかいつかと言い続ける文章です。
(商品レビューではありません。)

フランク・ロイド・ライト の
『 TALIESIN 2 』

そこに印象

画像だと一瞬ネコの遊び場に見えがちですが、巨匠デザインの照明です。部屋に置いてある実例を見ると感動的に美しいです。単体の画像ではまだまだ余力を残していると思います。それでもつい見てしまう。強者の風格というやつですね。

実際、何度か画面越しにお見かけして記憶にあった印象と、この画像の印象だと、けっこう違うなって思いました。単体で写っている画像みたいにスペースの中央に置いてあるより、壁際に置いてあるほうが魅力が分かりやすいと思う。

(生で見たら絶対そんなことないはずだけど、単品で映っている画像を見ると、ほんとにネコの遊び場感が増す。これはあくまで商品ページの画像で、現実生活では単品でインテリアを視界に入れることはないから大丈夫きっと。)

部屋に置いてある画像をいろいろ見てみると、とても印象的な存在感を放っておられます。

実は、どうしてこの「TALIESIN 2」を1つ目に選んだか、よくわかっていません。普通1つ目だったら、強い意志でほしいと思っている、とか、実物を見かけて、とか、明確な理由がありそうなものなんですが、考えてみると思い浮かびません。

いつか持てたらいいだろうなあと思うことはあっても、現実的に「手に入れる!」とまでは考えていませんでした。生で見たこともありません。漠然とした憧れです。

実物を持っている人が身近にいるのかどうかも知らないし、電球が10個もついているなんて、調べるまで知りませんでした。しかも、2m 超え! で、でかい!生で見たらもっと鮮烈ってことか…。
本当に漠然としたイメージしかありませんでした。

それでも、記念すべき第1回目はこれにしよう、と思えました。

どうしてかなって考えたんですが、たぶん、「印象」が刷り込み式に残っていったからです。

自分の手の届く範囲内でこんなに美しいものがあったら、たぶんはっきり記憶していると思います。初めて見たのはいつ頃だったか。何がきっかけで知ったのか。

でも、具体的なことを覚えていません。おそらく、テレビで映り込んでいるのを見かけたのが最初だと推測しています。ただ、自分の手の届く範囲のモノとして見ることはなかったから、一度見ただけでは記憶にならなかったんだと思うんです。人って、ちょっとそういうところがある生き物。

明確な記憶に残らなくても、見た人の中に印象がしっかり残るほどの造形美です。調べてみるとこの TALIESIN 2 は、過去にいろいろなドラマに出演しています。私が「これ、あれだ!」と認識できるようになるまでにも、きっと何度も見かけていたんだと思い至りました。

多くの人が魅了されているからこそ、舞台セットとして何度も登場し、私の目にも映りました。感動って、こうやって伝播していくんだなあと実感します。

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各方面に豊かじゃないと

世の中にこういうモノがあるということを知っただけで、まだ私の手の届く範囲にあるとは認識できません。実物との距離はまだまだまだまだ遠いです。

そもそも、こういうフロアスタンド照明を置くなら、床面積が広くなくちゃいけない。つまり、物理的に広い家か、モノが少ない家。私にとってはどちらも難しい…。

たとえ床面積が狭いまま、見栄を張って TALIESIN 2 を手に入れることができたとしても、周りに十分なスペースを確保できていない ⇒ 光がきれいに広がらない って結果になると思う。せっかくの巨匠ランプが本領を発揮できないなんて、きっと宝の持ち腐れ。

さらに、モノとの距離が近いままフロアスタンドを置くと、掃除が大変になると思う。しかも TALIESIN 2 のこのかたち。最初に見て思った人は多いと思うんですが、ほこりがたまると掃除が大変そうです。

だから、床面積を確保できる状態になった上で、いい感じのはたきやブラシが取り出しやすいところに隠せて、前を通るたびにパッと取ってサッと撫でる習慣ができていないと、 TALIESIN 2 はたぶん本気を出せません。ほこりが溜まらない生活ができるって、とても尊敬に値します。

(逆に、これほどのインテリアだったら積極的に掃除したくなるかな。視界に入れたくてうずうずしちゃうのかも。そのくらいのご利益がありそうなデザイン。)

広く明るいシーリングライトを消して、間接照明の柔らかな灯りに切り替える夜…。ソファでまったりしながらCMのようにハーゲンダッツを食べて過ごす……幸せです。妄想です。
こんなに感動的なモノがあると、画像だけで妄想が捗ってしまう。

自室に感動したい

部屋の端ってなんとなく暗くなりがちです。うまくやらないと(きっと広い家だとなおさら)空間にムラができやすいんだろうなと思います。そこに印象的なライトを置くことで、暗くてあまり見ることのなかった端っこエリアが、「光景」になる。

壁に光がやわらかくあたると、部屋に立体感や表情ができて美しいです。部屋の端っこが明るくなって活かされて、より広く感じられそう。

そもそも、自分の家にいて部屋をふとみて「美しい…」と思ったことがある人ってどれくらいいるんでしょうか。
私は部屋に感動した体験って外出先でしかありません。外にしかないと思っていた感動が自分の家で味わえるってことは、毎日おしゃれなレストランやホテルにいる気分で過ごせるってことなのかな。お気に入りのものばかりに囲まれて、心の充実した生活が送れるんだろうなあ。

そんな美しい空間で過ごせたらと、つい妄想を募らせてしまう…。
光の行方まで綿密にデザインされたフロアスタンド、憧れが溢れる…!滾る!!

もともと TALIESIN 2 は、設計者のフランク・ロイド・ライトが自分のために創ったものです(依頼されたものじゃない)。
設計者の思想や哲学やこだわりが制約もなく直に表れているんだろうなあ
とか考えるの、楽しい!妄想が止みません。

画面越しだけではなく実物が見たいものですなあ。

TALIESIN 2
タリアセン2
(フロアスタンド照明)

設計者
Frank Lloyd Wright
フランク・ロイド・ライト