最近食べてうれしくなったもの その2
先日、(といってもけっこう時間がたってしまったが、)久しぶりに新幹線で移動したときに見つけて買っちゃったおいしいものたち。
その1は中津川の栗きんとん。
今回はその2。BURDIGALA TOKYO のクロワッサンです。
時間がたっても忘れられずすでにまた買いに行きたくなっている。
東京駅の東海道新幹線の改札を出て、ふと1フロア下に降りてみたら見つけた、ヨーロッパ風味なパン屋さん、つまり、ブーランジェリー(フランス語でパン屋さん)。
ぱっと見て明らかに本場をフランスにしていそうなパン屋さんだった。フランス語は話せないけど聞けばなんとなく「あ、フランス語だ。」ってわかるみたいに、フランスのパン屋さんは知らないけどなんとなく「あ、フランスパンのパン屋さんだ。」って思った。
給食で出てきそうな日本のふわふわしたコッペパン、焼きそばパン、クリームパンではなくて、わりとハードでしっかり生地がメインなバゲット、ブール、カンパーニュ。フランスパンな感じが全面に出ていた。フランス顔なパン屋さん。
フランスパンっておいしいんだよね…と反射的に足が向いていくつか買った。なんでパン屋さん行くとあんなに買っちゃうんだろうね。そして持ち帰ってリベイクしたクロワッサンがおーいしかったから、書いておこうと思います。
ごめんねリベイク
本当は買ったその日に食べたかった。クロワッサンだってそれが本望だったと思う。
でもパンを他にも買い込んで当日中に食べたいものが渋滞していた。誘惑に負けて計画性を失っていたという点でクロワッサンには謝りたい。(別で書くつもりでいる)餡バターやモンブランも買っていて、当日中に食べてね、とお店側から言われるものを優先した結果、当日中にクロワッサンを食べるのは無理だった。
仕方がないのでクロワッサンは翌日の朝ごはんにまわした。パンを焼けば極上の仕上がりになると名高い BALMUDA The Toaster 様にすべてを任せることにした。
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なんといってもクロワッサンモードがある。ピンポイントでクロワッサンに使える状況だったので、これは妄信するしかない。
休日朝のテンポで
焼きあがる少し前から部屋に焼き立てパンの香りがふわ~っと漂って、とてもいい朝になった。食べる前からすでにしあわせだった。小麦とバターの間違いない安心感で、おいしい空気だった。本当にいい香りだったから、まだこのクロワッサンは生きていると確信した。
ここはパリのアパルトマン…と自分に暗示をかけながら、休日の朝といえばクロワッサンにカフェオレがないと!と明らかにフランスかぶれなテンションでカフェオレを淹れた。聞きかじった知識で形から入るミーハーな人間ですが、コーヒーと温めたミルクと小麦・バターの香りが混ざるのはいい文化だと思いました。
いざ食べる。
表面パリパリ。噛むと中の幾重にもなる層がフキュッと詰まり、口から離れた生地はふっと空気を含んでちゃんと戻る。総じてふわふわのクロワッサンも世にはあるけど、これは噛んだ時に柔らかくフキュッてなるやつだった。中の重なっている層が結構多い気がする。でも軽い食感。かつ、しっとり(これ大事)。
礼をするときはゆっくり1・2・3のカウントでするって卒業式の練習とかでやったけど、その感じで生地が戻る。これは確かに休日のテンポ。急いで食べたら堪能しきれない動きをしていた。
リベイクして温かくて、そしてなんだか嚙み心地の良いクロワッサンだった。焼き上がりからする小麦とバターのしあわせな香りも相まって、すごく上機嫌な朝になった。パリを演出して正解だった。
表面のこんがりした茶色と、噛むと出てくる中の層の明るい色。これも感動だった。中の層の色、もはやバターの色だった。本当にこれバターの色まんまだ!って思った。明るいクリーム色というか、オフホワイトに黄色い陰がつくような色。白というよりは黄色に分類されそうなほんのりした色だった。やさしい朝~って雰囲気を醸していた。
味は、素材の甘みを引き立たせる程度の量の砂糖しか入っていないか、砂糖が全く入っていなくて素材の甘みなのか、どちらかだと思った。わからないくらい、絶妙に自然な甘み。クロワッサン作ったことなんてないから材料に牛乳を使うのかどうかすら知らないけど、温めた牛乳に感じるようなやさしい甘みだった。塩気もわずかにあるけどそれすらも自然だった。食事にもおやつにもいけるバランス型。好き。
こんがりとした小麦・バターの味や香りと混ざって、クロワッサンど真ん中。自然体なのにすごく整った、理想的なしあわせの塊。きっとハイカロリーだけど、イメージだけはとても健康的だ。安心感のある明るい朝。
いろいろ書いたけどこんなことを感じながら食べたのは初めのふたくちくらいまでで、あとは無心で食べてしまった。何も考えなくてもただただおいしいものって、食べ終わるまでひたすら集中してしまう。ゾーンに入ってしまう。
食べるのが速いわけではなくむしろ遅い方なのだが、いつの間にかクロワッサンが無くなってしまう現象が起きた。
(状況や時間を楽しみながら食事ができるようになりたいとも思うのに、できたてや温かいうちがおいしいのだからと、食べるときは食べる、以上。という食事にいつもなる。音楽を聴きながら、とか、のんびりしゃべりながら、ができない。本能に従っていて居酒屋やカフェなどに不向き過ぎる。今回は家だったし、気兼ねなく味わえたことに後悔はないけど、もうちょっと脳内パリごっこしたかった気持ちも少しある。理性が本能に勝たないと脳内パリごっこはできない。)
今度は買ったその日に食べたい。パリパリサクサク具合が結構ちがってくるはず。当日中に食べると、買った次の日にトーストして復活するパリサクとは違うパリサクになるはずなのだ。次に買うときはそれを覚えておこうと思います。
晴れた休日の朝がとてもよく似合う、食べたら少しだけうれしくなって、ふふ。って言っちゃうクロワッサンでした。ほんとに言っちゃうよおいしくて。